昔の用水路は田んぼと川の水面が同じで、田んぼはコイ・フナ・ナマズなど、びわ湖の魚にとって絶好の産卵場所でした。
しかし圃場整備により、田んぼと用水路の高低差が2メートル近くなり、生き物を締め出すことになりました。
「魚のゆりかご水田」は、生き物が激減した田んぼに魚道を設置し、かつてのびわ湖周辺でごく当たり前に見られた景観を
復活させる取り組みです。そしてそれは安全安心なお米を皆さまにお届けし、生き物と人が共生できる農業・農村の創造を目指します。
魚道には、田んぼからの濁水を抑える機能もあるので、代かき前に堰板をはめます。
魚道が設置されている用水路は誰か一人のものではなく、たくさんの農家が共有しているので、農家同士の協力が欠かせません。魚が上がってきやすいように、田植え時期をそろえます。
田んぼで魚が泳ぎやすいように、水は深めで管理します。雨が少ないときは、少しの水でも魚が田んぼへ入りやすい一筆排水の管理をします。
親魚は田んぼに入るとすぐに産卵し、卵は2-3日でふ化します。田んぼには魚の成長に必要なプランクトンがたくさんいます。ブラックバスなどの外来魚は田んぼに入ってきません。
稚魚が田んぼから排水路へ流下できるよう溝切りなどを行います。
さらにびわ湖へ流下できるよう魚道の堰板をはずします。
魚道が設置された用水路の透明度調査をします
田んぼで生育した魚の調査をしています